ぱんきっず

京都府福知山市 自閉症・知的障がい児の療育支援を行う機関 ぱんきっず

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〒620-0940 京都府福知山市駅南町1丁目136

スタッフの原点     

何でそんなことまで??

ぱんきっずのスタッフには、障がいのある子どもの親もいます。
自らの子育てを通じて学んだことが、いろいろなところで表現されています。

「何で、そんなことまで気がつくんだろう?」

と、ありがたいお声をいただけるのは、スタッフの熱い想いがあればのこと。
そんなスタッフの活動の原点を、少しだけ紹介します。

私の活動の原点

聴覚障がいのある子どもの母として


私の2人の息子には、障がいがあります。
聴覚障がいです。知的障がいはありません。
現在、長男は高校生、次男は中学生です。

『おかしいな...』『耳、聴こえているのかなあ?』
と、思い始めたのが、生後1ヶ月のとき。

1歳2ヶ月、病院で、聴覚障がいと診断を下されました。

『どうしてウチの子が...』
『何とか、手術ができないものか...』
『私の耳をあげたい...』
と、自分を責め続けた日々を過ごしました。

*****

『一人の子ではさびしいかな』
と思い、兄弟を作ることを決意。

・・・産まれてきた次男も同じ障がいでした...


毎日毎日声を出す訓練をし、言葉が少しずつ増えはじめた頃のこと。
この先、この子達が成長するに連れ、
自分の障がいに気づき、きっと私を恨み責めてくるのだろう...
『どうしよう...』
『どんなことを言ってくるんだろう...』
『その時、私は何て言えばいいんだろう...』
考えただけでも、すごく恐怖でした。

   今のままでいいよ。大きくならないで。
   ずっとお母さんの腕の中にいてネ。膝の上にいてネ。
   何としても、お母さんがあなた達のこと、守ってあげるから・・・

そんなことを思ったものでした。


長男が5歳のときでした。
週に一度の保育園の登園や、休日に友達と遊ぶ中で、少しずつ自分の障がいにも気づき始め、
「パパやママは聞こえる?」
「いつになったら、ボクも聞こえるようになる?」
「ずっと補聴器つけるの?」
と聞いてきました。

自分の思いが言葉で表現できるようになったのは嬉しかったのですが、
『ついにきたか...』
いつかは覚悟していましたが、ショックでした。


聾学校の小学部になると、自立活動という時間があります。
自分の障がいを認識する学習をしたり、
親にも友達にも言えない悩みを、専門の先生が上手に聴きだしてくれます。

3年生の時の自立活動の時間に、自分の障がいは一生治らないと教えてもらい、
「先生、ぼく補聴器いらないから、耳が聞こえるようにして!」
と言ったあと、授業が終わるまでの30分間、
机に顔を伏せたまま泣き続けていたらしいです。


長男とは違い、次男は普通校に進学しました。
次男も3年生の頃から、ポツリポツリと言い始めました。

「補聴器なしで声が聴きたい。」
「ぼく、補聴器なしで生活したい。」
「ぼくの耳は一生治らない、死ぬまで治らない、こんな気持ち誰もわからへん!」
「何で、ぼくら兄弟2人とも障がいあるん?」・・・・

「うん、そうやね...」
「つらいね...」
と、その都度、次男の言うことを聞いてやることで精一杯でした。


4年生になったある日、学校から帰るなり、いきなり
「何で、オレの耳、障がいなん...しかも兄弟で...」
「お前が、こんな身体で産んだんやんけ...」
と、かなりキツイ言葉で私にぶつかってきました。

このときの私は、こらえきれずに、
次男の前で、ボロボロと涙をこぼしてしまいました。
「ごめんよ...」としか、言葉をかけてあげられませんでした。

私が泣き出したのでビックリした次男は、
部屋から出て行き、自分も一人で泣いていたようです。

聞こえる友達らの中で、
『どうして自分だけが...』と、小さな胸を痛めていたのでしょう。

私だって、もし子どもたちの立場だったなら...
文句を言っても仕方ないのはわかっていても、
自分のモヤモヤを、母親にあたっていたことでしょう...

私のあの時の対応が悪かったのか、
それ以降、次男は障がいのことを私には言わなくなりました。
次男の吐き出す場所を奪ってしまいました...



今、長男はツイッターで全国の人と情報や意見交換を楽しんでいます。
次男は野球に励む日々を送っています。
そして私は、ぱんきっずのスタッフとして。


                             平成23年11月


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